マグダネル F3H−2 デモン


 この「F3H−2デモン」が新生TAC144シリーズの第一弾キットとなった。
 この機体を選んだのは・・・単に趣味である。 
 これまで展開してきた1/100から新たに1/144を展開する前に
リサーチのために旧LSのキットやドラゴンその他いくつかキットを組んでみた。
 思ったことは新しいキットほどスケールに対してディティールが過剰なこと。
 CAD/CAMの発達によって大スケールで設計したデータを
そのままスケールダウンすることが可能になったおかげで、
設計にかける時間を大幅に短縮することが可能になったのだ。
そのおかげでランナーに付けたままなら物凄く出来がよいが、
組もうとすると何もいじれないキットが出回る事となったのだ。
 神林長平の「戦闘妖精雪風」に「妖精を見るには妖精の目が要る」という言葉がある。
モデラーにも同じような事が言えると思う。
ガレージキットを組むには原型師と同じ腕が要る。
ならば今のプラモを組むにはコンピュータ制御の3次元彫刻機並みの腕が要ると言うことか?
 そりゃ、並みのモデラーには出来ない話だ。
レベルの1/144ラファールは超絶ディティールの良いキットだがすんげー組みづらい。
 そういう訳で、並みの原型師による普通の航空機ガレージキットの登場となる。
 原型はタミヤのプラ板とタミヤの緑箱のエポパテ、あとは3ミリの真鍮棒から出来ている。
 主なパーツは積層プラ板の削り出し。インテークやキャノピーの型がエポパテ。
着陸脚の支柱が真鍮棒の削りだし。面倒だったのは筋彫りの取捨選択。
全部をいれてもうるさいだけだ。この作業にひと月ほどかかった。

 そして改修作業を経てなんとか新バージョン。
 コンパチ化の上にデカールはジョリーロジャース。
 だけど黄色のストライプが入ってないんでちょっと地味。
 完成品は墨入れがちょっと濃かったかな・・・。